ルベーグ積分とは

ルベーグ積分の作り方!

具財

ルベーグ積分構築に必要な具財を紹介いたします。
具①:外測度
具②:可測の定義
具③:単純関数
具④:ルベーグ積分の定義

レシピ

調理方法はこんな感じになります。
① 具①外測度を実数のすべての部分集合に定義します。こちらはすべての部分集合に成り立ちます。
② 外測度を使った具②可測の定義により、積分の定義に必要な良質な厳選された集合のみ絞ります。もちろんすべての部分集合が可測とは限りません。
③ 可測な集合の上に簡単な積分を構築するために、具③の単純の定義します。これにより測度0のものは省かれたような形で定義でき便利です。
④ 単純関数をsup inf により上下からサンドすることで、ルベーグ積分が構築されます。

ルベーグ積分の構築は以上です。
以上の定義から、難しいFatou’s Lemma, the Monotone Convergence Theorem, the Dominated Convergence Theoremが導かれます。

ルベーグ積分とは

歴史

少し歴史に触れておきます。
20世紀初頭にルベーグによって、ルベーグ積分が作られました。
ルベーグ積分が出た当時は外測度と内測度が一致したものを可測と定義していますが、
ルベーグ積分の研究が進むにつれて、様々なルベーグ測度の導出の方法が導出されたので、
年代ごとにあたかも違った方法でルベーグ積分が展開されているように見えます。
(もちろんどの方法も正しいですよ。プロセスが違うだけです。^^)
The Integrals of Lebesgue, Denjoy, Perron, and Henstock (Graduate Studies in Mathematics, 4) American Mathematical Societyを参照
最近は上記の方法が主流になっていてる様に思います。
研究が進みより証明に使いやすい可測の定義が出て来ました。
(なので数々出版されているルベーグ積分の本がありますが、多数の本を同時に読むと混乱するのでご注意を、)
今回はこちらの本を参考に説明していきます。

外測度

E \subset \mathbb{R}?として、

\ M^{*}(E) = \inf \biggl\{ \sum_{i=0}^\infty l(I_i)\,\bigg|\,E\subseteq\bigcup_{i=0}^\infty I_i,\forall i\in\mathbb N , I_i\ is \ an \ open \ interval \biggr\}

のように外測度が定義される。
外測度は、実数のすべての部分集合に定義される。

<外測度の性質>
i) \varphi(\varnothing) = 0

ii)A\subseteq B\quad\ \Rightarrow \quad\ m^{*}(A) \leq \ m^{*}(B)

iii)
\ m^{*}\left(\bigcup_{j=1}^\infty A_j\right) \leq \sum_{j=1}^\infty \ m^{*}(A_j)

iv) 可算集合の外測度は0
v) 空集合の外測度は0

証明は、The Integrals of Lebesgue, Denjoy, Perron, and Henstock (Graduate Studies in Mathematics, 4) を参照

可測

次の条件を満たす集合にに絞ることにより、積分を定義するのに良い性質を得ることができる。

すべてのA \subseteq \mathbb{R}

\ m^{*}(A) = \ m^{*}(A \cap E) + \ m^{*}(A \cap E^c)

が成り立つとき、Eを可測集合と呼び、
m(E) = m^{*}(E)として測度として扱う

<可測の性質>
i)Eが可測ならば、E^{c}も可測
ii)E_{{1}}, E_{{2}}が可測ならば、E_{{1}} \bigcap {E_{{2}}}E_{{1}} \bigcup {E_{{2}}}も可測
iii)\phi , \mathbb{R}は可測

iv)
m^{*}(E) = 0ならば、Eは可測

v)
\{E_i\}_{i=1}^\inftyを可測集合の列だとすると、 \bigcup_{i=1}^{\infty} E_{i}  \bigcap_{i=1}^{\infty} E_{i} も可測
上記の条件により、\sigma-代数の性質を満たす。(参考:σ-代数

vi)
\{E_i\}_{i=1}^\inftyが互いにディスジョイントな可測集合の列とすると、

m \left(\bigcup_{k=1}^\infty E_k\right)=\sum_{k=1}^\infty m(E_k)

それぞれの証明は、The Integrals of Lebesgue, Denjoy, Perron, and Henstock (Graduate Studies in Mathematics, 4) を参照

ルベーグ積分の定義

simple function

sを[a,b]上に定義されたsimple functionとする。
s(x)=\sum_{k=1}^n c_k {\mathbf 1}_{E_k}(x)
をcanonical representationと呼ぶ。(いい訳が見つかりませんでした。一時的にこのように表現しておくって感じですかね。)

定義

[a,b]上のsimple function sのルベーグ積分を、
\int_{a}^{b} s\, d\mu = \sum_{k=1}^nc_k\mu(E_k)
と定義する。

さらに、[a,b]の可測部分集合上のsのルベーグ積分を
\int_{A} s\, d\mu = \int_{a}^{b} s \mathbf 1}_{A} = \sum_{k=1}^nc_k\mu(E_k \bigcap A)

のように定義する。


\overline{\int}_{a}^{b} f \, d\mu = \inf\left\{\,\int_{a}^{b} s\, d\mu : s \ge f, \text{s is a simple function}\,\right\}

\underline{\int}_{a}^{b} f \, d\mu = \sup\left\{\,\int_{a}^{b} s\, d\mu : s \le f, \text{s is a simple function}\,\right\}

を定義して、
① = ②となるとき、ルベーグ積分可能といい、

\int_{a}^{b} f \, d\mu

と表記されます。

ルベーグ積分の構築は以上です。
数学なので本当に理解するためには、問題解く必要があります。

収束定理

Fatou’s Lemma, the Monotone Convergence Theorem, the Dominated Convergence Theoremの証明は難しいかもしれませんが、
これらの証明ができてルベーグ積分を理解したといえます。

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