現役数学者であり、弊社の代表でもある田中潤が今後目指していくこと

田中潤プロフィール

アメリカの大学で数学の実数解析の一分野である測度論や経路積分を研究。アメリカの大学教授にも難易度が高いといわれている研究ジャーナルアメリカ数学会マンスリーでも数学論文を発表している。カリフォルニア大学リバーサイド校博士課程に在籍中に2011年「ShannonLab」を立ち上げるため帰国、これまでの研究成果や技術を生かして、対話形式で有名人を当てる推測エンジン「Mind View」や、テキスト対話エンジン「Deep Love」など数々の人工知能エンジンを開発。開発する際は常にpythonを愛用。ここ数年で人工知能がホットな話題となり、数理研究とビジネスモデルの双方の視点からアドバイスを行い、企業の人工知能ビジネス立ち上げも多数手がけている。コンサルティングを重ね、人工知能サービスの商品化するためのビジネスプランを練り企業との共同研究開発も行っている。
ノイズ環境でも音声認識と対話できるアコースティックレンズマイクの開発に成功。これによりノイズ環境下でも受付業務の自動化が実現可能となった。

人工知能の会社を始めることになった経緯

金融で使われている量子力学の理論手法である「経路積分」を博士研究課題としていた田中さんは、リーマンショック前に金融系を手伝っていた。既にその頃にはディープラーニングの基礎が完成していて、米国で色々と見ていた田中さんは「ニューラルネットワークが来る」と肌で感じていたという。
その後、リーマンショックが起きたときに、アメリカ人の友達から「次は人工知能だ」という助言を得た。2009年、10年は日本とアメリカを行ったり来たりだったが、2011年には日本に帰ってきて、人工知能で起業することにした。

人工知能ビジネスに自然言語や音声認識を選んだ理由

「現代集合論と動詞論理」いう数学理論を作り、論文にした田中さんは、このロジックを拡張することで、自然言語に応用が可能ではないかと考えたという。より人間らしい対話を人工知能で実現させるために、音声認識による自然対話にこのロジックを乗せていく構想を描いた。
その世界観を完成させるには、高性能な音声認識が必要だったという。通常、音の跳ね返りがある環境では音声認識の精度が下がってしまう。例えば、音大にあるような無音響の部屋での音声認識の精度は高いが、日常的な環境にあるようなちょっとした雑音が混ざるだけで途端に精度が落ちてしまう。それでは、ビジネスとしての拡張性にかけ実用化に繋げることは難しかった。
そこで、無響室の環境で高い精度を誇る音声認識をある教授のところへ「もっと精度上げたいんだけどどうしたらいい?」と持って行ったところ、「マイクの研究から始めてみては?」と言われたという。2012年ごろのことだ。そこから、かれこれ5年くらいマイクの研究をしており、現在3Dプリンタで試作機の制作まで辿り着いた。
この試作機では近くで大音量の音楽が鳴り響く環境でも正確な音声認識を実現している。

acoustic

田中さんが描く未来と個人的な目標

田中さんは「資本主義社会で科学が発展したが、人間の幸福度が増したかと言われると疑問だ」と語る。人間が、より人間らしい生き方をして幸福に暮らすためには、面白いと思うことや楽しいことを多くの人が仕事にしていけばよい。人工知能の発展で20世紀的な「労働」からは人々が解放され、各々が自己実現できるような社会を目指している。優れた人工知能がいれば、人間が労働せずとも経済が回っていく。基本的には人工知能が世の中のありとあらゆるものを支えていて、人間は遊んでいても問題ない世界を理想としている。
今後の個人的な目標として、人工知能による対話を使ったサービスを構築し、普及させていくことを挙げている。人工知能の発展に役立てるよう個人として努力を続け、ゆくゆくは強いAIの開発とそのビジネスの応用を考えている。人工知能を次の社会を形作る柱と捉え、人間が幸福に生きられる社会の実現を目指している。

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